大恐慌、昭和恐慌の教訓とは(チャンネルAjer)
先日、インターネットテレビ「チャンネルAjer」の収録を行ないました。
今回は「大恐慌、昭和恐慌の教訓とは」というタイトルで、1930年代当時の米国の大恐慌(ルーズベルト大統領のニューディール政策等で有名)及び日本の昭和恐慌(高橋是清蔵相の「高橋財政」で有名)の状況を数々のマクロ経済データから分析し、かつ現在の日本の状況と照らし合わせることで、やはり今の日本に足りないのは積極財政である、という内容になっています。
前回同様1時間近いプレゼンで、8月10日及び17日(いずれも金曜日)の2回に分けて、ユーチューブとニコニコ動画それぞれにアップロードされています。
実は米国大恐慌と現在の日本との比較については、以前日本経済復活の会定例会でプレゼンしたことがあって、本ブログにもその時の資料や動画を掲載しており、既にご覧いただいた方ならお分かりいただける通り、その部分についての基本的な内容はほぼ同じです(資料の加筆修正はもちろん行なっていますが)。
【当日のプレゼン資料(pdf)】
大恐慌、昭和恐慌の教訓とは(チャンネルAjer20120810&17).pdf
【ユーチューブ】
・第1部
・第2部
・第3部
・第4部
・第5部
・第6部
【ニコニコ動画】
・第1部
・第2部
・第3部
・第4部
・第5部
・第6部
プレゼンの要旨は(やはり前回プレゼンを紹介しているブログ記事の記述と一部ダブりますが)、
・株価の動き(共にピークから8割以上下落した、というだけではなく、その形状も非常に良く似ている)に代表されるように、大恐慌時の米国と現在の日本にはいくつかの共通点が見られるが、経済全体のパフォーマンスは、前半期は日本、後半期は米国の方が相対的に良好である(前半期の米国は、今の日本同様慢性的なデフレ状況にあると共に、ピークから4年で名目GDP即ち国民全体の所得が半減、失業率25%という、今の我々には想像がつかないほど悲惨な状況に陥った)。
・それぞれについて金融政策・財政政策の動向をたどってみると、いずれについても「経済パフォーマンス良好期=積極財政、経済パフォーマンス不調期=消極財政期&金融緩和積極期」という特徴が見られ(米国のGDPが半減する過程では、「消極」どころか財政支出の削減が実際に行なわれた)、「積極財政こそが不況脱却のカギ」であるという教訓が導かれる(裏を返せば1990年代後半以降消極財政が続き、あまつさえ消費増税すら行なおうとしている日本は、未だに長期不況から脱却できなくて当然)。不況脱却時に積極財政(高橋財政)を伴っていた昭和恐慌時の日本も、この点は全く同様である。
・他方で、日本が昭和恐慌を脱却するタイミングで、金本位制停止をはじめとした金融政策の緩和方向への大幅な転換があり、かつこのことが不況脱出に貢献したのも事実である(当時金流出国だった日本は、金流出に合わせてマネタリーベース~日本銀行による通貨供給量~を削減せざるを得ず、このことが積極財政を行なっても経済が好転しない環境を作り出していた)。但し、現在の日本は管理通貨制度(金保有高等の制約を受けず、マネタリーベースを自由に拡大できる)で、かつ既に過剰なまでにマネタリーベースを供給しているという点で、昭和恐慌当時の日本とは全く前提条件が異なっており、「昭和恐慌時に金融緩和と共に不況から脱却した⇒今の日本が不況から脱却できないのは日本銀行による金融緩和が不十分だから」という岩田規久男氏をはじめとしたリフレ派の主張は、事実及び金融の基本的な仕組みを無視した、極めて短絡的かつ幼稚な議論である(ちなみに、大恐慌時の米国は逆に金流入国だったので、金本位制であろうと無かろうとマネタリーベースの拡大に何ら制約がなく、実際経済が底を打つ前からマネタリーベースを拡大していたのですが、たまたま緊縮財政からの転換による「どん底」からの脱出と金本位制停止が同じタイミングだったため、「大恐慌の原因もそこからの脱出も、金融政策によるもの」というマネタリストの誤った結論が生まれてしまいました)。
となっています。
なお、前回プレゼンした時から2ヶ月ほどしか経っていないにもかかわらず、何故再度このテーマを取り上げたかというと、先月の乗数効果に関するプレゼンへの反応も含め、金融緩和にしか目を向けない論者及びその影響が根強いことを強く感じたこと、及び復活の会では時間に追われて中途半端なプレゼンしかできなかった悔いもあったため、大恐慌の分析を改定しつつ、金融緩和論者(「昭和恐慌の研究」「日本銀行 デフレの番人」の岩田規久男氏、「円高の正体」の安達誠司氏、あるいは高橋洋一氏など)が持論の実証的根拠として取り上げている昭和恐慌についても合わせて検証してみよう、と思った次第です。
とはいうものの、2回目にもかかわらずプレゼンにさして進歩は無く、結局時間に追われて肝心なポイントを指摘もれしたりしているのが情けないところなのですが・・・(そんなこともあって、掲載している資料は当日のものから若干修正を施しています)。
※日本経済再生のための財政支出拡大の必要性については、徐々に理解者・支持者が増えているとはいえ、まだまだ主要マスコミでのネガティブな報道等の影響力が強いのが現状です。ツイッター、フェイスブック等のソーシャルメディアを通じて1人でも多くの方にご理解いただくため、下記ボタンのクリックにご協力いただけると幸いです。
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今回は「大恐慌、昭和恐慌の教訓とは」というタイトルで、1930年代当時の米国の大恐慌(ルーズベルト大統領のニューディール政策等で有名)及び日本の昭和恐慌(高橋是清蔵相の「高橋財政」で有名)の状況を数々のマクロ経済データから分析し、かつ現在の日本の状況と照らし合わせることで、やはり今の日本に足りないのは積極財政である、という内容になっています。
前回同様1時間近いプレゼンで、8月10日及び17日(いずれも金曜日)の2回に分けて、ユーチューブとニコニコ動画それぞれにアップロードされています。
実は米国大恐慌と現在の日本との比較については、以前日本経済復活の会定例会でプレゼンしたことがあって、本ブログにもその時の資料や動画を掲載しており、既にご覧いただいた方ならお分かりいただける通り、その部分についての基本的な内容はほぼ同じです(資料の加筆修正はもちろん行なっていますが)。
【当日のプレゼン資料(pdf)】
大恐慌、昭和恐慌の教訓とは(チャンネルAjer20120810&17).pdf
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プレゼンの要旨は(やはり前回プレゼンを紹介しているブログ記事の記述と一部ダブりますが)、
・株価の動き(共にピークから8割以上下落した、というだけではなく、その形状も非常に良く似ている)に代表されるように、大恐慌時の米国と現在の日本にはいくつかの共通点が見られるが、経済全体のパフォーマンスは、前半期は日本、後半期は米国の方が相対的に良好である(前半期の米国は、今の日本同様慢性的なデフレ状況にあると共に、ピークから4年で名目GDP即ち国民全体の所得が半減、失業率25%という、今の我々には想像がつかないほど悲惨な状況に陥った)。
・それぞれについて金融政策・財政政策の動向をたどってみると、いずれについても「経済パフォーマンス良好期=積極財政、経済パフォーマンス不調期=消極財政期&金融緩和積極期」という特徴が見られ(米国のGDPが半減する過程では、「消極」どころか財政支出の削減が実際に行なわれた)、「積極財政こそが不況脱却のカギ」であるという教訓が導かれる(裏を返せば1990年代後半以降消極財政が続き、あまつさえ消費増税すら行なおうとしている日本は、未だに長期不況から脱却できなくて当然)。不況脱却時に積極財政(高橋財政)を伴っていた昭和恐慌時の日本も、この点は全く同様である。
・他方で、日本が昭和恐慌を脱却するタイミングで、金本位制停止をはじめとした金融政策の緩和方向への大幅な転換があり、かつこのことが不況脱出に貢献したのも事実である(当時金流出国だった日本は、金流出に合わせてマネタリーベース~日本銀行による通貨供給量~を削減せざるを得ず、このことが積極財政を行なっても経済が好転しない環境を作り出していた)。但し、現在の日本は管理通貨制度(金保有高等の制約を受けず、マネタリーベースを自由に拡大できる)で、かつ既に過剰なまでにマネタリーベースを供給しているという点で、昭和恐慌当時の日本とは全く前提条件が異なっており、「昭和恐慌時に金融緩和と共に不況から脱却した⇒今の日本が不況から脱却できないのは日本銀行による金融緩和が不十分だから」という岩田規久男氏をはじめとしたリフレ派の主張は、事実及び金融の基本的な仕組みを無視した、極めて短絡的かつ幼稚な議論である(ちなみに、大恐慌時の米国は逆に金流入国だったので、金本位制であろうと無かろうとマネタリーベースの拡大に何ら制約がなく、実際経済が底を打つ前からマネタリーベースを拡大していたのですが、たまたま緊縮財政からの転換による「どん底」からの脱出と金本位制停止が同じタイミングだったため、「大恐慌の原因もそこからの脱出も、金融政策によるもの」というマネタリストの誤った結論が生まれてしまいました)。
となっています。
なお、前回プレゼンした時から2ヶ月ほどしか経っていないにもかかわらず、何故再度このテーマを取り上げたかというと、先月の乗数効果に関するプレゼンへの反応も含め、金融緩和にしか目を向けない論者及びその影響が根強いことを強く感じたこと、及び復活の会では時間に追われて中途半端なプレゼンしかできなかった悔いもあったため、大恐慌の分析を改定しつつ、金融緩和論者(「昭和恐慌の研究」「日本銀行 デフレの番人」の岩田規久男氏、「円高の正体」の安達誠司氏、あるいは高橋洋一氏など)が持論の実証的根拠として取り上げている昭和恐慌についても合わせて検証してみよう、と思った次第です。
とはいうものの、2回目にもかかわらずプレゼンにさして進歩は無く、結局時間に追われて肝心なポイントを指摘もれしたりしているのが情けないところなのですが・・・(そんなこともあって、掲載している資料は当日のものから若干修正を施しています)。
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