ホーム » 経済政策 » アベノミクスの失敗

アベノミクスの失敗

メルマガ「三橋貴明の『新』日本経済新聞」への今週の寄稿記事を、先行してブログに掲載します。
今回は「アベノミクスの失敗」というタイトルで、8月17日に発表された2015年4-6月期GDP第1次速報値を分析し、「緩やかな回復が続く」という政府の景気認識、あるいはアベノミクスのそもそもの誤りを論じています。

今回は、記事中にある以下のグラフ(筆者フェイスブックページに掲載)との連携を図るため、メルマガに先行して記事を公開しています。
是非本記事、及び下記グラフのシェアや拡散にご協力いただければ幸いです(グラフについては、特にフェイスブックのアカウントをお持ちの方)。
http://on.fb.me/1NGwuso
http://on.fb.me/1V76SY7
http://on.fb.me/1JgT1a0

↓メルマガ登録はこちらから。
http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を掲載しています。


人気ブログランキングへ



にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
【島倉原】アベノミクスの失敗

From 島倉原@評論家

おはようございます。
台風の影響もあるのでしょうが、残暑の厳しさから一転、涼しいくらいの今日この頃。
こんな時こそ、体調管理に気をつけたいものです。

先週末にはアメリカの株式市場が4年ぶりの下げ幅を記録し、日本株も週明け早々今年最大の下げ幅となるなど、金融市場が荒れています。
先週発表された2015年4-6月期の実質GDP速報値も、大方の予想通り前期比マイナスです。
果たして、アベノミクスは本当にうまくいっているのでしょうか。

これに対する、GDP統計発表直後の記者会見での甘利大臣の答えは、

「アベノミクスの経済政策が本当に効果を上げたのかと。これは全て、実質も名目もGDPが改善していると。特にGDPデフレーターは現下にあってもプラスになって、かなり伸びているわけであります。」

というものでした。
http://www.cao.go.jp/minister/1412_a_amari/kaiken/2015/0817kaiken.html

確かにGDPについては、消費税増税で「かさ上げ」されていない実質ベースで見ても、アベノミクス以前の水準を上回っています。
しかしながら、民間部門の最終需要である「消費」あるいは「消費+住宅投資」を見てみれば、消費税増税前の2年前はもちろん、アベノミクスが始まる前の3年前の水準すら下回っています。
すなわち、日本経済が順調に回復しているとは到底言い難い状況です。
http://on.fb.me/1NGwuso

甘利大臣は同じ記者会見で「過去最高水準の企業収益から、投資を喚起することによりまして、経済の好循環を更に拡大、深化させてまいります」とも述べていて、経済のけん引役として企業の設備投資に期待しているようです。
されど、企業の設備投資は生産能力を維持・強化するためのものであり、最終需要が盛り上がらない状況では、いずれ縮小に向かわざるを得ません。

しかも企業の在庫は高水準、さらには中国をはじめとした新興国向け輸出の先行きが危ぶまれる状況です。
こうした中で投資意欲の盛り上がりに期待するのは、相当楽観的な、裏づけに乏しい見方ではないでしょうか。

「GDPデフレーターはかなり伸びているわけであります」という発言についてもまた然り。
GDPデフレーターの伸びがプラスなのは、輸出デフレーターのプラスと、輸入デフレーターのマイナス(GDPにとってマイナスに働く輸入については、デフレーターの効果も逆に働きます)によって押し上げられているに過ぎません。
消費税増税直後で経済が急激に落ち込んだ2014年4-6月期との比較にもかかわらず、民間最終消費・住宅投資のデフレーターはご覧のとおり、マイナスに陥っているのです。
http://on.fb.me/1V76SY7

こうした一連の発言、実は状況がさらに悪化した場合の備えなのではなかろうか、とつい勘ぐってしまいそうです。
すなわち、「景気が悪化したのはアベノミクスの失敗ではなく、中国に代表される新興国経済の不振によるものだ」という弁明をするために。
ちょうど17年前、「今回の景気後退はアジア通貨危機の混乱がもたらしたものだ」と述べられていたのと同様に。

本メルマガの読者にはいわずもがなでしょうが、今回の景気後退の原因は、決して「新興国経済の不振」のような、外的要因ではありません。
明らかなるアベノミクスという政策の失敗、すなわち効果の乏しい金融緩和の威力を過信し、「消費税増税=緊縮財政」という強力なブレーキを引いてしまったことによるものです。
17年前のデフレ不況突入を招いたのも、いうまでもなく消費税増税、公共事業削減をはじめとした緊縮財政によるもの。
17年前も今回も外的要因では説明がつかないことは、輸出の減少に先駆けて、民間消費と共にGDPの縮小が始まっていることを示す下記のグラフからも明らかです。
http://on.fb.me/1JgT1a0

最後に読者の皆様、特にフェイスブックのアカウントをお持ちの方々へのお願いです。
今回ご紹介した3つのグラフ、いずれも私のフェイスブックページに掲載したものです。
下記にURLを再掲しましたが、是非是非、これらのグラフのシェア・拡散にご協力くださいませ。
「アベノミクス=公共事業を増やす積極財政政策」との誤解に基づき、「アベノミクスの失敗は、成長と財政再建の両立がやはり無理であることを証明した=財政再建のためにはやはり緊縮財政が必要である」という誤った議論がはびこらないように。
ひいては、「二度ある増税は三度ある」といった、悲劇的な事態を招かないように・・・。
http://on.fb.me/1NGwuso
http://on.fb.me/1V76SY7
http://on.fb.me/1JgT1a0

〈島倉原からのお知らせ〉
なぜ、誤った経済政策が繰り返されてしまうのか。そもそも経済政策とはどうあるべきなのか。それを解明した一冊です。
http://amzn.to/1HF6UyO

↓島倉原のブログ&フェイスブックページはこちら
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/
https://www.facebook.com/shimakurahajime

↓メルマガ「島倉原の経済分析室」を開始しました。毎週日曜日に発行しています。
http://foomii.com/00092

↓拙著『積極財政宣言』、ご覧になるにはこちらの画像をクリック!!


↓アマゾンより、電子書籍『ギリシャ危機の教訓~緊縮財政が国を滅ぼす(付論:ギリシャ株投資に関する一考察)』を刊行しました。詳しくはこちらから!


↓電子書籍専用端末のご購入はこちらから。


↓電子書籍閲覧用アプリをダウンロードすれば、お手持ちのスマホやパソコンでもご覧いただけます。
(スマホの場合はそれぞれのアプリストアから、パソコンの場合は下記のサイトからダウンロード可能です)

(ウィンドウズ用)
http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html?docId=3078592246
(マック用)
http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html?docId=3077089416

↓「三橋貴明の『新』日本経済新聞」、メルマガ登録はこちらから。
http://www.mag2.com/m/0001007984.html


※各種ブログランキングにも参加しています。1日1回、クリックよろしくお願いします。

人気ブログランキングへ



にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村

関連記事


会員限定の映画やTV番組が見放題! 100万曲以上の楽曲も聴き放題!! 今なら30日間無料体験募集中!!!



テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : 財政政策 日本経済 アベノミクス 消費税 GDP統計 三橋貴明 失われた20年

コメント

非公開コメント

最新記事
ブログ記事検索フォーム
カテゴリ別記事
おすすめの本

雇用、利子、お金の一般理論 (講談社学術文庫)


国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策 (講談社現代新書)


公共事業が日本を救う (文春新書)


官僚階級論 霞が関(リヴァイアサン)といかに闘うか (モナド新書010)


戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する


国土学―国民国家の現象学 (叢書 新文明学4)


英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書)


アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫)


〈凡庸〉という悪魔 (犀の教室)


危機の二十年――理想と現実 (岩波文庫)


仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実 (文春新書)
リンク
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール

島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

RSSリンクの表示
メールフォーム
メールでのご質問・ご意見等はこちらからお願いします。

お名前:
メールアドレス:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

おすすめの音楽

ザ・アイランド・イヤーズ(リマスター)(完全生産限定盤)


Piper at the Gates of Dawn


Doors


ジギー・スターダスト<2012リマスター>


十七歳の地図

ツイート一覧
QRコード
QR
FC2カウンター
FC2アフィリエイト
アフィリエイト・SEO対策