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もう1つの緊縮財政

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メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』に、「もう1つの緊縮財政」というタイトルで寄稿しました。
インターネット動画「チャンネルAjer」でのプレゼン「アベノミクスで所得環境は悪化している」を踏まえつつ、社会保険財政でも緊縮路線を進めようとしているアベノミクスの危険性について、警鐘を鳴らしています。

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http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を掲載しています。


【島倉原】もう1つの緊縮財政

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家

おはようございます。
消費税増税の延期を巡る議論が喧しいですが、本日は「消費税増税が延期されてもアベノミクスが緊縮財政であることにかわりはない」という、少々不吉なお話です。

従前からお伝えしているように、実質ベースの家計消費、あるいは住宅投資も合わせた家計支出はアベノミクス前の水準を下回り、低迷しています。
下記のグラフでも明らかなように、その直接的な引き金は無論、2014年4月の消費税増税です。
https://twitter.com/sima9ra/status/707368633979109377
http://on.fb.me/1QBXJox

こうした状況は、アベノミクスの成否を巡り、国会でも当然議論の対象になっています。
ところが、野党が「勤労者の収入は減っていてアベノミクスは失敗している」と追及するのに対し、
「雇用者全体の所得は増えている」ゆえに「アベノミクスが失敗しているとの指摘は当たらない」と反論するのが安倍首相。
この議論、一見すると全くかみ合っていません。
http://www.news24.jp/articles/2016/03/02/04323751.html

家計調査や毎月勤労統計調査といった統計によれば、勤労者の収入、あるいは実質賃金が低下しているという事実は、本メルマガでもしばしば指摘されています。
ところが、労働力調査などより調査範囲の広い統計も加味して推計され、毎回のGDP速報でも発表される「雇用者報酬」は、消費税増税の影響も加味した実質ベースで見ても、確かにアベノミクス以降増加しています。

すなわち、やや大雑把な言い方をすれば、上記の議論の乖離はミクロとマクロの差ということになり、安倍首相の反論は一見妥当のようにも映ります。
ところが今度は、雇用者全体の所得が増えているにもかかわらずマクロの消費は低迷していることになり、これはこれで謎めいた状況です。

では、このミステリーを解くカギは、どこにあるのでしょうか。
年金、健康保険、介護保険といった社会保険料負担の増大などを加味すれば、「家計の実質手取り所得」はアベノミクス以前の水準を下回っている、というのが1つの答えです。
https://twitter.com/sima9ra/status/709761266428944384
http://on.fb.me/1Wnyx6V

すなわち、仮に雇用者報酬の推計が正しかったとしても、雇用者報酬と家計の手取り所得の間には、そもそも定義上の乖離が存在しているのです。
詳しくは下記拙稿「アベノミクスで所得環境は悪化している」をご覧ください。
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-153.html

1998年以降、収入が減少トレンドあるにもかかわらず、家計全体の社会保険料負担額は逆に増加するという、極めて異常な状況が続いています。
結果として、アベノミクス以降の家計の「名目」手取り所得はリーマン・ショック前の水準を下回っています。
https://twitter.com/sima9ra/status/709762224873541632
http://on.fb.me/1pIZeZu

さらにそこから、消費税増税による年間負担増加額(約7.5兆円)を「事実上の所得カット」として差し引いてみれば、リーマン・ショック直後の最悪期(2009年)の水準すら下回ってしまうのです。
毎年の厚生年金保険料率の引き上げを定めた2004年施行の改正厚生年金保険法に代表されるように、これもまた、緊縮財政のなせるわざと言えるでしょう。

ちなみに、「アベノミクスで所得環境は悪化している」では言及しませんでしたが、そもそも雇用者報酬自体、非正規雇用の増加が適正に反映されていない分、かさ上げされているという議論もあるようです。
もしその議論が正しいとすれば、第2次安倍政権以降、非正規雇用はより一層増えているわけですから、家計所得は拙稿で述べた以上に圧迫されているということになります。
https://www.jcer.or.jp/report/econ100/index3816.html

ところが、政府は去る3月11日、年金給付を抑制する年金制度改革関連法案を閣議決定し、こうした状況に歯止めをかけるどころか、今度は収入の側から家計負担を引き上げようとしています。
すなわち、消費税増税が延期されようとされまいと、社会保険制度を通じたもう1つの緊縮財政が、さらに強化されようとしているのです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016031102000232.html

アベノミクスが(積極財政ではなく)均衡財政主義を前提とした政策であることについては、以前、下記拙稿「アベノミクスの失敗」でも論じたとおりですが、ここに来て、さらに緊縮財政色が強まっているのが実態のように思われます。
さらに、三橋貴明さんが週初に論じていたとおり、新自由主義的な構造改革路線がさらに加速されるようであれば、これは由々しき事態です。
参議院選挙が行われる今年、消費税増税や補正予算に関する目先の議論に惑わされることなく、アベノミクスに明確なダメ出しをすべきタイミングなのかもしれません。
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-108.html

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島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

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