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第二のデフレ不況論

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メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』に、「第二のデフレ不況論」というタイトルで寄稿しました。
消費税増税の再延期を表明した2016年6月1日の安倍首相の記者会見を題材に、消費税増税が日本経済を悪化させている実態を認めようとしない政府の姿勢がさらなる長期停滞を招くリスク、言い換えればアベノミクスなる政策をこれ以上続けることのリスクについて、景気循環論も交えて論じています。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/06/02/shimakura-49/

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http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を転載しています。


【島倉原】第二のデフレ不況論

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家

おはようございます。
前回ご案内したとおり、5月21日(土)放送のチャンネル桜討論番組「闘論!倒論!討論!2016」(テーマは「サミット後の世界経済の行方」)にパネリストとして出演しました。
延べ3時間に及ぶ3部構成の番組で、下記のユーチューブサイトでもご覧いただけます。
(とりあえず島倉が映っているのを確認しよう…ということであれば、冒頭で発言している第3部をおススメします)
https://www.youtube.com/watch?v=kj8xZWIJLpQ
https://www.youtube.com/watch?v=Fb9LXv4krPw
https://www.youtube.com/watch?v=QKSTkxOV-FM

番組用に用意したフリップ(実際使う機会がなかったものも含みます)や、番組内で私自身が言わんとしたことをまとめた記事もそれぞれアップしておきましたので、こちらも参考にして下さい。
http://twitdoc.com/5TDB
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-170.html

さて昨日、安倍首相が記者会見で消費税増税の延期を表明しました。
延期自体はマスコミ各社がサミット前から報道していたので、読者の皆さんも格別の驚きはないでしょうが、私自身は「延期の理由をどのように説明するか」に注目していました。

1997年にも、消費税の増税と共に、財政赤字の抑制や公共事業の削減を謳った「財政構造改革の推進に関する特別措置法」(いわゆる財政構造改革法)が施行されました。
その年の後半から山一證券や北海道拓殖銀行をはじめとして大型の金融破たんが相次ぎ、翌年小渕内閣の下で財政構造改革法は凍結、20兆円を超える大型緊急経済対策が打ち出されましたが、日本経済はその年から長期デフレ不況に突入していきます。

上記フリップの1枚目を踏まえれば、当時を起点とした緊縮財政が経済成長の停止や長期デフレの原因であると解釈するのが、どう見ても筋が通っています。
にもかかわらず当時から、政府や多くの経済学者によって「不況はアジア通貨危機に端を発する世界経済の影響によるもので、消費税増税をはじめとした緊縮財政が原因ではない」という説明がなされ、現在に至るまで緊縮財政路線が続いてきました。
https://twitter.com/sima9ra/status/700718824329318401
http://on.fb.me/1oPwhdQ

そして今、当時と似たような状況が再び生じています。
2014年4月の消費税増税後、「景気は緩やかに回復している」という政府見解とは相反し、日本経済が民間消費を中心として不振に陥っているのは、これまでも繰り返し述べてきた通りです。
https://twitter.com/sima9ra/status/738074804880707584
http://bit.ly/1VwWlaZ

2014年のロシア株式や通貨の暴落、2015年の中国株式の暴落や人民元切り下げに代表されるように、新興国からの資金流出が続いているのも、1997年から1998年の状況に類似しています。
偶然か必然か、増税の数年前に大震災が発生している(阪神大震災は2年前、東日本大震災は3年前)ことも共通しています。

そもそもこうした新興国経済の不振自体、グローバル化した経済に内在する循環メカニズムによる周期的な現象であることは従前から述べている通りですし、上記フリップの3枚目でも示した通りです。
そして、消費税増税もまた、景気循環に連動して拡大する財政赤字に近視眼的に反応した結果であることは、上記フリップの4枚目、あるいは拙著『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』第5章で論じた通りです。


以上の循環メカニズムを踏まえれば、「世界経済が悪化している(あるいは悪化するリスクがある)ため、消費税増税は延期する」といった説明が政府からなされるようであれば、実は極めて危険な兆候と言えるでしょう。
なぜなら、緊縮財政が日本経済長期低迷の真因であることがまたもや否定され、経済対策も短期的なものにとどまり、(皮肉なことに消費税増税によって一旦途切れた)長期デフレ不況に再び陥る可能性すらあるからです。
https://twitter.com/sima9ra/status/732929601559662592
http://bit.ly/1V98e6D

逆に、2014年の消費税増税は昨今の日本経済悪化をもたらした失政であることが宣言されれば、こうした悪循環が断ち切られることを意味します。
そうなれば、「増税の延期」ではなく「増税の廃止もしくは減税」こそ適切な政策であることはおのずと明らかになり、長期低迷からの脱却の道筋も見えてきます。

つまり、今回の安倍首相の増税延期表明は、後から振り返れば日本の長期的な針路にとって重大な分岐点であった、ということになる可能性も十分考えられるのです。
にもかかわらず、案の定と言いますか、

「私は来年4月からの消費税率引上げに向けて必要な経済状況を創り上げるとお約束しました。そして、アベノミクスを強力に推し進めてまいりました。(中略)雇用を創り、そして所得を増やす。まだまだ道半ばではありますが、アベノミクスは順調にその結果を出しています。
しかし、世界経済は、この1年余りの間に想像を超えるスピードで変化し、不透明感を増しています。(中略)今般のG7による合意、共通のリスク認識の下に、日本として構造改革の加速や財政出動など、あらゆる政策を総動員してまいります。そうした中で、内需を腰折れさせかねない消費税率の引上げは延期すべきである。そう判断いたしました。」
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2016/0601kaiken.html

ああ、やはり世界経済の先行き不安に責任転嫁してしまいました。
しかも、TPPの早期発効を含めた構造改革の断行こそがアベノミクスの最重要テーマであり、その加速の是非が参議院選挙の最大の争点なのだそうです。

こうした構造改革への傾斜は、積極財政の意義を認めず、他方で頼みにしていた金融緩和が手詰まりであることの必然的な帰結であり、失われた20年において繰り返されてきたお決まりのパターンでもあります。
財政出動とはいっても、このままでは例によって「機動的」の範疇で、短期的なものにとどまることが懸念されます。
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-108.html

以前、佐藤健志さんの著書『僕たちは戦後史を知らない』で述べられている「第二の敗戦論のループ」が、実は景気循環に基づく先進国を中心とした世界的な不動産バブル崩壊と結び付いていることを、本メルマガでも指摘したことがあります。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/08/14/shimakura-3/
今回はその裏メニューと言いますか、周期的な新興国危機と結び付いた、文字通り第二のデフレ不況のループの瀬戸際とも言うべき状況です。
こうしたアベノミクスをこれ以上加速することに、果たして日本国民は支持を与えるべきなのでしょうか。

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以前、「グーグルの人工知能と株式市場」という記事を執筆し、人工知能発達の背後にあるIT業界の変化の潮流や、その技術基盤の中核たり得ると考えられる企業について取り上げました。
今回はそれとは別の、好調な株価パフォーマンスを続けるとある人工知能関連企業に関する考察です。
↓「株価上昇を続けるAI(人工知能)関連銘柄」
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↓(参考)「グーグルの人工知能と株式市場」
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-154.html

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そんなツイッターの業績の実態や将来性を考察したのがこちらです。
↓「ツイッターの企業価値と将来性」
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島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

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