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ヘリコプターマネーは財政政策

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メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』に、「ヘリコプターマネーは財政政策」というタイトルで寄稿しました。
日銀の金融政策決定会合や政府の経済対策発表を間近に控える中、政府が通貨発行と組み合わせて財政出動を行う「ヘリコプターマネー(ヘリマネ)」が、世間でにわかに注目を集めている状況について概説しています。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/07/28/shimakura-53/

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http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を転載しています。


【島倉原】ヘリコプターマネーは財政政策

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家

日銀の金融政策決定会合や政府の経済対策発表を間近に控える中、「ヘリコプター・ベン」の異名を持つFRBの前議長、ベン・バーナンキ氏が先々週来日して黒田日銀総裁、安倍首相と相次いで会談したこともあり、いわゆる「ヘリコプターマネー(ヘリマネ)」を巡る論議が活発になっています。
今週発行された雑誌「週刊エコノミスト」2016年8月2日号も、「ヘリコプターマネーの正体」と題した特集記事を組んでいます。
http://amzn.to/2ajzcGW

同記事では、ヘリマネの定義として、

「ヘリマネは、増税などにより政府に回収されることのないお金を人々に配る政策の総称と考えられている。バーナンキ氏は、デフレ脱却のためには、政府が家計や企業に対する減税などで財政出動し、中央銀行が国債を買い入れるなどしてその財源を賄うことを以前から提唱している。中銀が国債を保有し続ければ、政府は借金を返済する必要がなくなり、負債を抱えずに財政出動することが可能になる。このような方法について、バーナンキ氏はヘリマネの考え方と同じだと認めている。」(24ページ)

と述べられています。

ここでまず明らかにされているのは、「ヘリマネ=財政出動ありきの経済政策」であるということ。
ミルトン・フリードマンがヘリマネの概念を打ち出した際に提示した「ヘリコプターからドル紙幣をばらまく」という比喩にしても、単にお金をばら撒いているということ、あるいはヘリコプター「マネー」という名称が用いられていることから、金融政策と混同される向きもあるかもしれませんが、その本質は財政出動です。
例えば、景気対策として一時期行われた地域振興券や各種の給付金と比べてみれば、資金源が通貨発行に限定されている(民間への国債発行は手段として除外されている)こと以外は、まるで違いがないことは一目瞭然でしょう。

そもそも、金融政策の担い手である中央銀行は、金融機関以外の民間経済主体とは基本的に取引を行いません(一個人としての中央銀行職員に給与を渡す、といった例外はありますが)。
民間経済に資金を供給するのは、融資や投資を通じて預金通貨を創造する民間金融機関か、財政支出によって民間に所得をもたらす政府の役割です。
(このあたりは拙著『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』第3章も参考になると思います)
http://amzn.to/1HF6UyO
仮にフリードマンの比喩において、ドル紙幣をヘリコプターからばら撒いているのがFRBの関係者だとしても、政府の委託を受けて行っていると考えるのが、通常の両者の役割分担からすれば妥当です。

また、ヘリマネというとしばしば引き合いに出されるバーナンキにしても、上記の記事にもあるように、日本経済には財政出動が重要であることを一貫して述べてきました。
さらに言えば、自らがFRB議長として行ったのは住宅ローンバブル崩壊でダメージを受けた民間金融機関の貸出機能を補完する「信用緩和」であって、現在の日銀のようにマネタリーベースの拡大をひたすら追求する政策(量的緩和あるいは期待インフレ政策)とは別物である、という認識を示していたのです。
にもかかわらず、どういうわけか日本のリフレ派からはアイドルのように祭り上げられてしまったのが、今にして思えば不思議な現実です(もちろん、下記でも論じているように、彼にも責任の一端はあると思いますが…)。
http://asread.info/archives/448

私自身は繰り返し述べているように、様々なデータ分析を踏まえ、日本経済低迷の原因は、長期にわたる緊縮財政であると考えているので、経済対策として財政出動を行うことはもちろん適切だと思います。
https://twitter.com/sima9ra/status/719076491980439552
ただし、通貨にしても国債にしても政府の債務であることに本質的な違いはなく(だからこそ、以前ご紹介した「機能的財政論」も成立します)、敢えて資金源を通貨発行に限定するヘリマネ(財政出動分の国債を日銀が追加金融緩和で取得する「事実上のヘリマネ」も含みます)の必然性は乏しいと思います。
実際、既に過剰なまでに金融緩和が行われ、マイナス金利に代表される経済の歪みが生じていることからすれば、同じ財政出動でも、むしろ民間向けの国債発行を資金源として行うべきでしょう。

とはいえ、バーナンキ氏が金融緩和一本やりのリフレ派のアイドルとしてではなく、財政出動ありきのヘリマネのアイドルとして改めてクローズアップ(格上げ?)されたこと自体は、日本経済にとって明るい兆しなのかもしれません。
もちろん、GDPを直接押し上げる「真水」の財政支出額やその中身を巡る綱引きは土壇場まで続くことでしょうし、青木泰樹さんが本メルマガで憐みをかけておられたリフレ派の若田部昌澄氏などは、懲りずに(?)「財政政策は単独だと効果が弱く、世界的に金融政策に頼る状況が起きている(!)」(週刊エコノミスト2016年8月2日号83ページ)などと述べているようですから、まだまだ一筋縄では行かないのでしょうが…。

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島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

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