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グローバリズムの軌道修正

メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』に、「グローバリズムの軌道修正?」というタイトルで寄稿しました。
ユニクロことファーストリテイリングの減益決算と売上高目標引き下げの発表を取り上げ、アメリカのトランプ現象やイギリスのEU離脱に見られるグローバリズムの行き詰まりの兆候が、日本においても現れつつあるのではないか、という議論を展開しています。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/11/03/shimakura-60/

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以下では今回の記事を転載しています。


【島倉原】グローバリズムの軌道修正?

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家

先月の15日、三橋経済塾でゲスト講師としてお話する機会がありました。
タイトルは「グローバリズムと経済成長」でした。

経済のグローバル化の下、自由貿易や市場主義経済の拡大を推進する。
そんな「グローバリズム」という思想が、行き詰まりを見せているかのよう。
アメリカのトランプ現象やイギリスのEU離脱などは、その典型例と言えそうです。

そもそもグローバル化とは、どういったメカニズムで動いているのか。
歴史的な観点のみならず、景気循環論的な視点も加えると、
これまでの流れ、そして今後について、どのような解釈が成り立つのか。
だとすれば、現代のグローバル化時代において、どういった経済政策が求められるのか。
そういった内容を、可能な限りのデータを示しながら、講義しています。
ご興味がある方は、こちらからご覧いただけます。
http://www.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

とまあ遅ればせながらのご紹介となりましたが、
そんなグローバリズムの限界を象徴するような出来事が、ここ日本でも起きていたんですね。
くしくも講義の2日前に行われた、ユニクロことファーストリテイリングの決算発表です。
http://www.fastretailing.com/jp/ir/library/earning.html

ユニクロの柳井社長が「グローバル化の尖兵」を自認し、
世界一のアパレル製造小売業、日本を代表するグローバル企業となるべく「2020年に売上高5兆円」の目標を掲げ、
中国をはじめとして海外店舗を積極的に拡大してきたことは、以前もお伝えしたとおりです。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/04/21/shimakura-46/

ところが、先月の決算説明会の席上で、減益決算の発表と共に、
2020年の売上高目標を5兆円から3兆円に引き下げ、
売上5兆円の達成時期については「できるだけ早期に」にトーンダウンしています。

もともと、一国で1つの文明圏を構成する日本の国境を越えたグローバル展開は、
個人としてのみならず、企業経営の視点から見ても決して合理的でないことは、以前もお伝えしたとおり。
ことユニクロの場合、長期停滞する国内市場を見限って急激に海外展開を進めたものの、
同業他社と比べても明らかに性急な拡大路線の無理がたたり、
(例えば、国内売上比率が約6割のユニクロに対して、
スペインのインディテックス(ZARA)やスウェーデンのH&Mは、
国内売上の比率は確かに2割未満と低い「グローバル企業の大先輩」ですが、
今でも売上の約7割は「ヨーロッパ」という自国と同一文明圏内で稼いでいます)
他方で、稼ぎ頭の国内市場でも、海外展開の誘因となったマクロ経済の長期停滞によって
「人件費の安い新興国で商品を作り、国内で売る」という事業モデルが足元から崩れ、
今回の目標下方修正に至ったというわけです。

トランプ現象やイギリスのEU離脱に比べれば、
一企業に過ぎないユニクロの動向など、確かに小さなことかもしれません。
けれども、まさしくグローバル化により様々なもののつながりが増している今日、
グローバリズムの限界を示すこうした事例は、読者の皆さんの周りでも、いろいろと見つけることができるでしょう。
それらを一つ一つ明らかにしていくことは、日本全体にとっても、
行き過ぎたグローバリズムの軌道修正に、確実につながっていくのではないでしょうか。
今回の講義もまた、そうした流れに連なるものであることを、願ってやみません。
http://www.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

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島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

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