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やはり緊縮財政だった?アベノミクス

メルマガ『三橋貴明の「新」経世済民新聞』に、「やはり緊縮財政だった? アベノミクス」というタイトルで12月29日に寄稿予定です。
日本の内需GDP(名目国内需要)の成長率が3四半期連続でマイナスに陥っているのは、アベノミクスこと安倍晋三政権の経済政策が、やはり消費税を増税した1997年当時の橋本龍太郎政権同様の、本質的に緊縮財政なのが原因であることを解説しています。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/12/29/shimakura-64/

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http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を転載しています。

【島倉原】やはり緊縮財政だった?アベノミクス

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家(クレディセゾン主任研究員)

一昨日、藤井聡さんの本紙論稿において、
内需GDP(名目国内需要)の成長率が3四半期連続でマイナスに陥っている日本は、
「これはもはや、リセッション状況と言われても致し方」なく、
「緊縮的態度にかまけている暇など、ほとんどない」との指摘がありました。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/12/27/fujii-229/

その「3四半期マイナス成長」の事実を、より長い期間の中で確認したのが下記グラフです。
https://twitter.com/sima9ra/status/813749953910730752
http://bit.ly/2htArcb

戦後の日本経済において、3四半期以上連続で名目国内需要の伸びがマイナスとなったのは、
今回の2016年第1四~第3四半期を除けば、過去三度を数えます。

一度目は、1997年第4四半期~1999年第4四半期(9四半期連続)。
二度目は、2001年第3四半期~2003年第3四半期(7四半期連続)。
三度目は、2008年第2四半期~2010年第1四半期(8四半期連続)です。

このうち三度目については言うまでもなく、リーマン・ショックに代表される、
世界的な不動産バブル崩壊の影響を受けたもの。
結果としてこのケースだけが例外的に、成長率が落ち込む過程において、
国外需要も加算された名目GDPの落ち込みの方が、より一層大きくなっています。

対してそれ以外の、名目国内需要の落ち込みの方が相対的に大きいケースでは、
いずれも強烈な緊縮財政が行われています。

一度目は財政構造改革法のもと、消費税増税と共に公共事業削減が本格化した橋本政権期。
二度目はやはり構造改革の名のもとに、緊縮財政が推進された小泉政権期。
いずれも大手金融機関の経営不安を招いた経済失政期であり、デフレが深刻化しています。

そして今回も、一度目と同様消費税が増税され、それを追うように内需が低迷しています。
さらに、GDP統計上の公共投資に相当する公的固定資本形成は、
2015年第4四半期以降4四半期連続、前年同期比マイナス3~4%で推移しています。
これを緊縮財政と言わずして何と言うのでしょうか。

現在は、橋本政権期ほどの性急な財政支出削減が行われているわけではありません。
しかも、もう20年近くにもなるデフレ経済に国民全体が慣れてしまったこともあり、
本当は「景気は緩やかに悪化している」にもかかわらず、さほどの切迫感はない。
そうした中で、「景気は緩やかに改善している」との政府発表がそのまま報道されれば、
何となく「そんなものかな」と思ってしまう、そんな人々が増えているのかもしれません。

さらには「機動的な財政政策」という名の下で、第2次安倍政権発足当初に実施された
10兆円超の補正予算の実質・イメージ双方にまたがる効果などもあり、
「アベノミクス=積極財政」という誤った報道が主流なのは、藤井さんご指摘の通りです。
そうなると、「安倍さんは頑張っている」「少なくとも経済政策はマシ」といった、
これまた事実とかけ離れたイメージが定着しているのではないでしょうか。

しかしながら、当初の10兆円超の補正予算、あるいは「機動的な財政政策」自体が、
積極財政とは別物の、消費税増税を前提とした「均衡財政主義」の賜物であったことは、
昨年9月の拙稿「アベノミクスの失敗(第2次速報)」で論じた通りです。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/09/24/shimakura-33/

結果、東日本大震災からの復興を契機に盛り上がる可能性があった内需には水が差され、
冒頭で述べたマイナス成長に陥っている。
このあたりも、消費税増税の前に阪神・淡路大震災があった橋本政権期と類似しています。

このままでは何か外的ショックでもなければ、ゆでガエルのように徐々に状況が悪化し、
三橋貴明さんおっしゃるところの「周回遅れのグローバリズム」政策も着々と具現化し、
失われた20年が30年へと引き延ばされてしまう、そんな懸念すら覚えます。

何だか暗い話に終始してしまいましたが、来る2017年を少しでも明るいものにするには、
まずは事実の確かな認識から。
そこから何らか前進の手ごたえを得られるような、そんな1年でありますように。

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島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

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