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GDP統計に見る、経済の衰退と家計の貧困化

「新」経世済民新聞』に、「GDP統計に見る、経済の衰退と家計の貧困化」というタイトルで寄稿予定です。
日米のGDP統計における、家計消費の内訳の推移を比較することで、経済発展の流れに逆行した「サービス消費比率の停滞と生活必需品消費比率の上昇」が生じているここ10年近くの日本では、経済活動衰退と家計の貧困化が進行していることを論証しています。
(↓2017年5月4日追記:拙稿が下記サイトに掲載されました)
https://38news.jp/economy/10412

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以下では今回の記事を転載しています。


【島倉原】GDP統計に見る、経済の衰退と家計の貧困化

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家(クレディセゾン主任研究員)

日本やアメリカのように、経済活動の大半が国内の需要、
すなわち内需に基づいて行われている国では、
一国の経済活動の規模を示すGDPにおける最大の需要項目は家計の消費であり、
日本ではGDPの6割近く、アメリカでは7割近くを占めています。

そして、日米それぞれのGDP統計では、家計消費の総額だけでなく、
形態別や目的別の消費額についても推計、公表されており、
その推移をたどることによって、家計の消費傾向の長期的な変化や、
その変化をもたらしたマクロ経済上の背景について、垣間見ることができます。

まず、家計消費の形態別構成比の推移を見てみましょう。
第2次世界大戦後の日米共通の傾向として、サービス消費の比率が上昇する一方で、
食料品・衣料品などからなる非耐久財消費の比率が低下しています。
それ以前が世界恐慌や戦時下の統制経済という例外的な時期であったことを踏まえれば、
これは、経済の発展・高度化による生活必需品需要の相対的な低下を反映した、
超長期的な傾向であると考えることができます。


次に、消費の中身をもう少し細かく見てみましょう。
上述の背景から、非耐久財の典型である食料品・衣料品の家計消費全体に占める比率は、
戦後を通してみれば日米共に低下トレンドにあることは言うまでもありませんが、
ここ10年ほどの日本については、明らかな上昇傾向に転じています。


これは、藤井聡さんも以前言及されていたエンゲル係数の上昇に対応したもので、
日本の家計が、全体として貧困化している証に他なりません。
https://38news.jp/economy/09997
ここで改めて、先ほどの形態別消費の構成比を示すグラフを見返してみれば、
経済の発展・高度化が進んでいることを示す超長期の傾向、
すなわち「サービス消費比率上昇・非耐久財消費比率上昇」の流れもまた、
日本についてはここ10年、停滞していることがご確認いただけるでしょう。

名目GDPの成長が止まってほぼ20年。
企業の国内投資意欲が低下して雇用環境も悪化した日本経済は、
長期デフレが続いてきました。
そうこうしているうちに経済発展の流れが逆行し、家計の貧困化も統計上明らかに。
こうした状況が、もう10年近くも続いているのです。

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島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

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