ホーム » 世界経済 » グローバル化の将来

グローバル化の将来

「新」経世済民新聞』に、「グローバル化の将来」というタイトルで寄稿しました。
19世紀以降の資本主義経済に見出される50~60年周期の「コンドラチェフ循環」を産業構造のサイクルとして捉えた上で、1970年代以降のグローバル化の流れが、インターネットに代表されるデジタル通信技術の発展を背景として2030年代頃まで続くという見通しを述べています。
https://38news.jp/default/10917

↓『「新」経世済民新聞』のメルマガ配信登録はこちらから。
http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を転載しています。


【島倉原】グローバル化の将来

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家(クレディセゾン主任研究員)

旧ソ連の経済学者コンドラチェフは1926年、
金利・物価などマクロ経済変数の長期動向を分析し、
資本主義経済には50~60年の長期サイクルが存在する、
と唱えました。
いわゆるコンドラチェフ循環と呼ばれる現象です。

彼自身はこうした循環に基づく資本主義再生論を唱え、
権力者スターリンの勘気を蒙り、銃殺されてしまいます。
他方でコンドラチェフ循環に関する研究はその後も進み、
産業構造や国際政治レジームの転換とも結びついた、
歴史的なサイクルであることが明らかにされています。
即ち、金利や物価上昇率のピークからピークまでが、
1つの政治経済サイクルとなっているのです。
(もちろん、そうした長期的なダイナミズムの実在は、
合理的経済人による「均衡」「最適化」を前提とした
主流派経済学にとって、到底受け入れ難いものですが)

実際、そのようにして19世紀以降の歴史を俯瞰すれば、
まさしく今、なぜ米ロ関係や北朝鮮問題が緊迫するのか、
そしてその先にはどんな未来が待っているのかについて、
かなり明解かつ合理的に考察することも可能になります。
詳しくはこちらの論考をご覧ください。

↓「コンドラチェフ循環から見た米ロ関係
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-266.html

↓「北朝鮮情勢とコンドラチェフ循環
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-267.html

さて、そんなコンドラチェフ循環の見地からすれば、
1865年から1920年頃までが1つのサイクルとなります。
アメリカの南北戦争やヨーロッパの普仏戦争で始まり、
帝国主義・第1次グローバル化の時代が到来。
その行き着いた先が第1次世界大戦で、
グローバル化もそこで一旦終焉します。

そんな第1次グローバル化の時代、
産業構造としては「鉄道の時代」という説が有力です。
しかしながら、当時のヨーロッパの統計などを見ると、
電信電話といったアナログ通信技術の実用化を背景に、
交通量よりも通信量の成長率の方が高いようで、
むしろ「電気通信の時代」と呼ぶべきように思われます。

実際、北米大陸横断電信システムの開通は1861年、
大西洋横断電信システムの開通は1866年のことでした。
そうした通信インフラによって情報伝達が容易になり、
広域的な経済活動に必要なコストが飛躍的に低下した。
それがグローバル化の背景になったと言えるでしょう。

翻って現代はどうでしょう。
金利がピークアウトした1980年頃を起点とする、
観察上は4番目のサイクルにあると考えられます。
そして、産業構造の変化の主役はデジタル通信技術。
インターネットの原型であるARPANETが開通したのも、
サイクルの起点の少し前、1969年のことでした。
そうした背景の下で国境を越えた経済活動も活発化し、
第2次グローバル化時代と呼ばれています。

コンドラチェフ循環は50~60年の周期ということで、
次のピークは2030年代半ばとも言われています。
つまり、グローバリズム批判も何のその。
ITブームもまだまだ先は長そうですし、
その頃までは、グローバル化も増々進みそうな予感です。
経済政策のあるべき姿についても、
そのことを前提に、再考してみるべきかもしれません。

〈島倉原からのお知らせ〉
今回取り上げたコンドラチェフ循環については、
主にこちらの文献を参考にしました。
英語ですが、ご興味のある方は是非どうぞ。
http://www.sociostudies.org/almanac/articles/files/kw_1/107-119.pdf

今にして思えば突っ込み不足の所もありますが、
景気循環のダイナミズムが存在する現実の経済における、
積極財政の重要性を実証的に論じた一冊です。
↓『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか



※「本記事が参考になった」と思われた方は、各種ブログランキングボタンやSNSボタンのクリックをよろしくお願いします。
        にほんブログ村 経済ブログへ

   
   このエントリーをはてなブックマークに追加


↓『「新」経世済民新聞』のメルマガ配信登録はこちらから。
http://www.mag2.com/m/0001007984.html


↓島倉原への執筆・講演・出演のご依頼等は、当ブログのメールフォームか、下記の問い合わせフォームからお願いいたします。
http://form1.fc2.com/form/?id=7f2d01cc919199d8


↓ツイッターでも情報発信しています。フォローよろしくお願いします。



↓フェイスブックページでも情報発信しています。「いいね!」よろしくお願いします。



↓フェイスブック上で筆者をフォローされるにはこちら。
関連記事


会員限定の映画やTV番組が見放題! 100万曲以上の楽曲も聴き放題!! 今なら30日間無料体験募集中!!!



テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

tag : グローバル化 コンドラチェフ循環 デジタル通信技術 IT革命 インターネット

コメント

非公開コメント

最新記事
ブログ記事検索フォーム
カテゴリ別記事
おすすめの本

雇用、利子、お金の一般理論 (講談社学術文庫)


国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策 (講談社現代新書)


公共事業が日本を救う (文春新書)


官僚階級論 霞が関(リヴァイアサン)といかに闘うか (モナド新書010)


戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する


国土学―国民国家の現象学 (叢書 新文明学4)


英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書)


アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫)


〈凡庸〉という悪魔 (犀の教室)


危機の二十年――理想と現実 (岩波文庫)


仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実 (文春新書)
リンク
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール

島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

RSSリンクの表示
メールフォーム
メールでのご質問・ご意見等はこちらからお願いします。

お名前:
メールアドレス:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

おすすめの音楽

ザ・アイランド・イヤーズ(リマスター)(完全生産限定盤)


Piper at the Gates of Dawn


Doors


ジギー・スターダスト<2012リマスター>


十七歳の地図

ツイート一覧
QRコード
QR
FC2カウンター
FC2アフィリエイト
アフィリエイト・SEO対策