FC2ブログ
ホーム » 経済政策 » 「早期解散」で既成事実化される? 緊縮財政、そして日本の弱体化

「早期解散」で既成事実化される? 緊縮財政、そして日本の弱体化

「新」経世済民新聞』に、「「早期解散」で既成事実化される? 緊縮財政、そして日本の弱体化」というタイトルで寄稿しました。
安倍首相が解散総選挙の公約として検討していると報道されている「消費税増税の一部を財源とした教育無償化」は、緊縮財政の強化を既成事実化することで、日本の経済力や安全保障能力の中長期的な弱体化を招く可能性が高いため、安易に支持すべきではないと論じています。
https://38news.jp/politics/11098


↓『「新」経世済民新聞』のメルマガ配信登録はこちらから。
http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を転載しています。


【島倉原】「早期解散」で既成事実化される? 緊縮財政、そして日本の弱体化

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家(クレディセゾン主任研究員)

ここにきて、衆議院が早期に解散され、
早ければ来月にも総選挙があるとの
報道が相次いでいます。
そんな中で安倍首相は、
憲法改正と並ぶ選挙の争点として、
消費増税を予定通り行う一方、
増税分の使途の一部を、国債償還などの
いわゆる「財政健全化」から、
教育無償化などの財源に振り替えることを
検討しているとも報道されています。
https://www.nikkei.com/article/DGKKASFS18H2A_Y7A910C1MM8000/

なぜ、消費増税とその使途変更が、
憲法改正と並ぶ争点という話になるのか。
思い出されるのは今年5月に開催された
「第19回公開憲法フォーラム」の一件。
「日本会議」が主導する
「美しい日本の憲法をつくる国民の会」
などによって開催された同フォーラムで、
安倍首相はビデオメッセージを通じて、
9条改正と共に教育無償化を盛り込んだ
新憲法実現への意欲を表明しています。
http://www.asahi.com/articles/ASK534KF0K53UTFK002.html

解散あるいは選挙での争点について、
現時点で何ら具体的な表明はありませんが、
こうした過去の経緯を踏まえれば、
使途変更は憲法改正と並ぶ争点というより、
安倍首相にとっては憲法改正の一部であり、
具体化への布石なのではないでしょうか。
憲法改正前に実現してしまうのであれば、
そもそも憲法に盛り込む必要があるのか、
という冷静なツッコミは別として。

私自身は改正案が表明された当時、
教育無償化目的の「財源」としての
増税の既成事実化を狙いとする同案は、
緊縮財政をより一層強化しかねないため、
安易に賛成すべきではないと指摘しました。
今回の増税使途変更プランについても、
憲法改正の布石であればもちろんのこと、
そうでなくとも緊縮財政強化には違いなく、
やはり安易に賛成すべきではないでしょう。
https://38news.jp/economy/10489

他方で、冒頭の日本経済新聞記事によれば、
民進党の前原代表は増税を認める代わりに、
教育を含む社会保障に増税分の「全額」を
充てるよう訴えているそうです。
これに対して安倍首相は、
「財政再建とのバランスは重要」と指摘し、
「全額を教育財源に充てることは避ける」
と主張しているとのことです。
https://www.nikkei.com/article/DGKKASFS18H2A_Y7A910C1MM8000/

つまり、安倍首相の思惑通りに進めば、
「安倍政権は民主党政権よりも緊縮財政」
という下記のデータで示される構図が、
より一層強化されてしまうのです。

【参考図表:政府部門による、GDP統計上の他部門所得へのインパクト(年度、兆円)】


これでは、「機動的な財政政策」の名の下で
消費税増税が既成事実化されてしまった、
2012年総選挙の二の舞になりかねません。
https://38news.jp/archives/06253

ちなみに安全保障の観点、
特に目前の北朝鮮情勢などを踏まえても、
今回の安倍首相の政策を支持することは、
むしろマイナスではないでしょうか。

なぜなら、緊縮財政強化は経済を弱体化し、
その分だけ中長期的な安全保障能力も
ダメージを受けると考えられるからです。
他方で、北朝鮮への制裁強化が
アメリカ主導で進行している現状では、
憲法9条の改正如何にかかわらず、
あるいは誰が首相になったとしても、
少なくとも当面の政府対応に関しては、
有意な差はないのではないでしょうか。


〈島倉原からのお知らせ〉
憂うべき事態ではありますが、
このままでは本書の副題が、より真実味を
帯びていくのかもしれません。
↓『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか



メルマガ『島倉原の経済分析室』では、
経済や金融のタイムリーな話題について、
独自の観点から分析しています。
以下は直近記事のご紹介です。

主要指数が軒並み史上最高値を更新した
アメリカの株式市場。
その現状分析と、中期的な流れの展望です。
↓「史上最高値を更新したアメリカ株式市場の今後
http://foomii.com/00092/2017091703145441246

「仮想通貨での資金調達」という
企業金融での新たな動き。
ITバブルとの類似性や関連性も踏まえ、
その先行きを考察しています。
↓「ICO/仮想通貨バブルとITバブル
http://foomii.com/00092/2017091000164541114

↓その他、バックナンバーはこちらをご覧下さい。
http://foomii.com/00092/articles


※「本記事が参考になった」と思われた方は、各種ブログランキングボタンやSNSボタンのクリックをよろしくお願いします。
        にほんブログ村 経済ブログへ

   
   このエントリーをはてなブックマークに追加


↓『「新」経世済民新聞』のメルマガ配信登録はこちらから。
http://www.mag2.com/m/0001007984.html


↓島倉原への執筆・講演・出演のご依頼等は、当ブログのメールフォームか、下記の問い合わせフォームからお願いいたします。
http://form1.fc2.com/form/?id=7f2d01cc919199d8


↓ツイッターでも情報発信しています。フォローよろしくお願いします。



↓フェイスブックページでも情報発信しています。「いいね!」よろしくお願いします。



↓フェイスブック上で筆者をフォローされるにはこちら。
関連記事


会員限定の映画やTV番組が見放題! 100万曲以上の楽曲も聴き放題!! 今なら30日間無料体験募集中!!!



テーマ : 安倍政権
ジャンル : 政治・経済

tag : 日本経済 アベノミクス 解散総選挙 緊縮財政 消費税増税 教育無償化 憲法改正 三橋貴明

コメント

非公開コメント

最新記事
ブログ記事検索フォーム
カテゴリ別記事
おすすめの本

雇用、利子、お金の一般理論 (講談社学術文庫)


国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策 (講談社現代新書)


公共事業が日本を救う (文春新書)


官僚階級論 霞が関(リヴァイアサン)といかに闘うか (モナド新書010)


戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する


国土学―国民国家の現象学 (叢書 新文明学4)


英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書)


アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫)


〈凡庸〉という悪魔 (犀の教室)


危機の二十年――理想と現実 (岩波文庫)


仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実 (文春新書)
リンク
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール

島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

RSSリンクの表示
メールフォーム
メールでのご質問・ご意見等はこちらからお願いします。

お名前:
メールアドレス:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

おすすめの音楽

ザ・アイランド・イヤーズ(リマスター)(完全生産限定盤)


Piper at the Gates of Dawn


Doors


ジギー・スターダスト<2012リマスター>


十七歳の地図

ツイート一覧
QRコード
QR
FC2カウンター
FC2アフィリエイト
アフィリエイト・SEO対策