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危うい「業績回復」の構図

『「新」経世済民新聞』に「危うい「業績回復」の構図」というタイトルで寄稿しました。
日本企業の業績を押し上げている輸出拡大の背景には中国の過剰債務問題があることを指摘し、その先行きには相当の危うさをはらんでいることについて警鐘を鳴らしています。
https://38news.jp/economy/11410

↓『「新」経世済民新聞』のメルマガ配信登録はこちらから。
http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を転載しています。

【島倉原】危うい「業績回復」の構図

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家(クレディセゾン主任研究員)

企業業績が好調ということでしょうか。
アメリカの株価は史上最高値の更新が続き、
日本も今週、年初来高値を更新しました。

世界的な貿易量の回復によって、
日本企業の業績も輸出主導で伸びている
(但し、家計にとってはさほど良くないし、
長期的な国内産業の地盤沈下は進行中)
ことは、前回お伝えした通りです。
https://38news.jp/economy/11349

そんな好況の起点とされているのが中国。
「一帯一路」関連も含めたインフラ投資や、
活発なIT関連投資が牽引しています。
他方で、その株価は日米とは対照的に、
先週末時点で4週連続下落しています。
https://www.morningstar.co.jp/msnews/news?rncNo=1822295

株価下落の要因は、中国の金融政策の
引き締め観測であると言われています。
先週の中国共産党中央政治局会議でも、
来る2018年の経済政策運営方針として、
巨額の企業債務を「重大なリスク」と捉え、
その削減を進めることが決定されました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24435990Y7A201C1FF8000/

中国の民間債務額の名目GDP比率が
1990年初頭のバブル崩壊当時の日本や
リーマン・ショック前のアメリカを上回り、
新たな金融危機を引き起こしかねない
重大なリスク要因であることは、
下記の通り、少なくとも3年以上前から
指摘されてきました。
同比率はその頃から更に上昇しています。
https://38news.jp/archives/04407
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-66.html

途中に人民元切り下げショックこそあれ、
それ以外にはさほどの危機もなく
同比率の更なる上昇が可能であったのは、
財政出動で経済が支えられていたからです。
国外への資本流出圧力が高まることで、
そうした政策も維持できなくなるのが
新興国危機の典型的なパターンなのですが、
中国の場合、自らの資本移動規制強化に
先進諸国の大規模な金融緩和政策も加わり、
そうした圧力が緩和されたと考えられます。

ところが、2期目の習近平体制が発足し、
政権の安定も確保されたからでしょうか。
当面の経済成長より将来のリスク削減に
舵を切ろうとしているかのようです。
国内の資金需要を抑え込めば、
その分資本流出のダメージが減るという
思惑もあるのかもしれません。

とはいえ、その結果として
中国の経済成長が抑制されれば、
それを起点とした世界経済の好循環もまた、
逆回転することが想定し得ます。
また、成長期待が低下することで、
中国国内の資金需要減少以上に
国外への資本流出圧力が強まる事態も
考えられるでしょう。
さらに、欧米の金融緩和は終了に向かい、
日本の金融緩和にも限界が見えています。
(マネタリーベース増加速度が低下し、
事実上の「テーパリング」が生じています)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO24205310T01C17A2NN1000/

こうしてみると、外需に依存した
現在の日本企業の業績の先行きにしても、
相当な危うさを孕んでいると考えられます。
不安定な外需に右往左往することなく
内需主導の経済成長を実現する政策こそが、
やはり重要なのではないでしょうか。


〈島倉原からのお知らせ〉
1)1990年代前半までの日本は、
外需への依存度を下げながら
経済力を高めてきました。
そうした構図を取り戻すために必要なのが
積極財政政策です。
↓『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか



2)12月2日放送のチャンネル桜討論番組
「世界経済の中の日本」に
パネリストとして出演しました。
https://www.youtube.com/watch?v=mOq16zry2y0


3)メルマガ『島倉原の経済分析室』では、
経済や金融のタイムリーな話題について
独自の観点から分析しています。
以下は直近記事のご紹介です。

中国株の下落は果たして一時的なのか。
実体経済の動きとも密接な関わりを持つ
金融市場のあるデータを踏まえながら、
その是非を考察しています。
↓「中国株下落の経済的背景?」
http://foomii.com/00092/2017121002595042859

好調が続くアメリカのIT関連株も、
先々週には低調なパフォーマンスでした。
通説以外の論点にも目を向け、
その背景と今後について考察しています。
↓「アメリカIT株下落の背景
http://foomii.com/00092/2017120301242342711

↓その他、バックナンバーはこちらをご覧下さい。
http://foomii.com/00092/articles

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テーマ : 政治・経済・時事問題
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tag : 世界経済 中国経済 過剰債務 新興国危機

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島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

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