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国民を不幸にするPFI法改正

『「新」経世済民新聞』に「国民を不幸にするPFI法改正」というタイトルで寄稿しました。
新聞報道によれば、政府は公共サービスの民営化を促進するため、PFI(Private Finance Initiative)法の改正案を、今月始まる通常国会に提出しようとしているとのことです。
その内容は、緊縮財政を推進して日本経済をさらに悪化させるのみならず、住民の自治権を奪い、さらには公共サービスの劣化にもつながるもので、三重の意味で日本国民にとって不幸なものである、というのが今回の論旨です。
https://38news.jp/economy/11500


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http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を転載しています。

【島倉原】国民を不幸にするPFI法改正

From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家(クレディセゾン主任研究員)

緊縮財政と公共サービスの民営化が
一種の信仰あるいはファッションと化し、
財政が好調なはずの東京都までもが
下水道運営権の売却を検討する有様なのは、
先日、三橋貴明さんが寄稿された通りです。
https://38news.jp/economy/11490

しかしながら、こうした動きは
各自治体レベルだけのものではありません。
自治体の公共サービス売却を容易にすべく、
中央政府主導で法改正が進もうとしている
というのがこちらの報道です。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO25291440T00C18A1MM8000/

政府は、公共インフラ建設や運営の民営化、
いわゆるPFI(Private Finance Initiative)
を推進するための行動計画を昨年改定し、
実行金額の目標も掲げました。
今回の法改正案もその一環のようで、
公共インフラの運営権売却に際して
地方議会の議決が不要となるほか、
運営企業の利用料金設定も届け出制にして
現在は必要な自治体の承認を不要とし、
さらには、売却した自治体がもともと
インフラ建設の際に中央から受けていた、
財政投融資の繰り上げ返済を可能にする、
といった内容が盛り込まれているそうです。

この法案、インフラの売却のみならず
自治体の負債返済も促進するという点で、
いかにも緊縮財政色にあふれています。
中央政府が自治体から受け取った返済金も、
その分支出の増加に充てられる訳ではなく、
恐らくは「財政健全化」と称して、
ほとんどが国債償還に回るのでしょう。

さらに輪をかけて問題なのが、
民営化された公共インフラの
利用料金設定を届け出制にするという部分。
これは複数の問題を孕んでいるのですが、
今回は地方自治権の観点から論じてみます。

地域の重要な共有財産である公共インフラ。
それを一民間企業の手に委ねるか否かは、
地域住民にとって相当重要な問題のはず。
だからこそ、事前のチェック機能として、
地域代表である地方議員の集まりである、
地方議会の議決を要件としているはずです。

他方で、一度売却してしまったら、
仮にそのことが失敗だったと判明しても、
元に戻すのは容易なことではありません。
だからこそ、企業の利益追求が行き過ぎて、
公益が侵害されるリスクを減らすため、
住民が選んだ首長を戴く自治体の承認を
売却後の利用料金設定の際には必要とし、
事後のチェック機能を確保しているのが、
現行法制なのではないでしょうか。

今回、事前チェック機能を緩める代わりに、
事後チェック機能をより一層強化し、
バランスを取るということなら
「まだ」理解できます。
しかも、本紙でもしばしば報告されている
アメリカの事例にもあるように、
公共サービスの民営化は利用コスト上昇か
サービスレベル低下を招くリスクも高い。

にもかかわらず今回の法案、
事前も事後もチェック機能を緩め、
制度の暴走リスクを一気に高めています。
しかも、地方議会の議決も自治体の承認も、
いわば住民自治権の間接的な行使。
それを同時に奪っているのです。

料金設定の自由度が与えられれば
公共インフラ運営のリスクがその分減り、
民間企業の参入がより活発になって
PFIが促進される。
今回の改正法立案者が考えているのは
そんなところでしょう。
政府は、本法案の早期成立・施行を目指し、
今月始まる通常国会に提出するそうです。

けれども、住民自治権が奪われたあげくに
緊縮財政という最悪の経済政策が促進され、
さらには公共サービスも劣化する。
こんな法案を成立させたところで、
一体誰が幸せになるというのでしょうか。


〈島倉原からのお知らせ〉
1)この20年、緊縮財政によって
日本国民はどれだけ苦しめられてきたか。
その根拠を確かめたい方はこちらをどうぞ。
↓『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか



2)メルマガ『島倉原の経済分析室』では、
経済や金融のタイムリーな話題について
独自の観点から分析しています。
以下は直近記事のご紹介です。

直近発表の、中国の国際収支統計を分析し、
国際金融市場との関連性を考察しています。
↓「中国の国際収支と国際金融市場
http://foomii.com/00092/2017123101381943301

昨年から続く世界的な株高。
しかしながら、長期的な視点に立てば、
既に変化の兆候が読み取れるのではないか。
そんな分析を行なっています。
↓「株高局面に見られる変化の兆候?
http://foomii.com/00092/2018010701062343393

↓その他、バックナンバーはこちらをご覧下さい。
http://foomii.com/00092/articles

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島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

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