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積極財政と原発問題

経済評論家として著名な三橋貴明氏が主宰するメルマガ「三橋貴明の『新』日本経済新聞」の木曜日の記事を、隔週で担当することになりました。

今回はその1回目、タイトルは「積極財政と原発問題」です。

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http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を転載しています。




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【島倉原】積極財政と原発問題

From 島倉原@セゾン投信

はじめまして。島倉原(しまくら はじめ)と申します。
本日から隔週で木曜日を担当することになりました。
どうぞよろしくお願いします。

三橋貴明さんからは過分なご紹介をいただいたようで、いささか恐縮しておりますが、
著書があるわけでもなく、本格的に言論活動を始めたのはたかだか2年前です。
今回改めて確認してみたら、「日本の長期停滞の元凶は、政府の緊縮財政だ!!」と確信するに至り、ブログを書き始めたのがちょうど3年前でした。
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/

その後、「日本経済復活の会」という勉強会に参加するようになり、
http://www.tek.co.jp/p/
三橋さんも出演されている「チャンネルAJER(アジャ)」に月1回出演して積極財政論をぶつようになり、
http://bit.ly/1oBFDCx
言論サイト「ASREAD(アスリード)」に「失われた20年の正体」と題して記事を連載するようになり、
http://asread.info/archives/author/shimakurahajime
現在に至っています。

本メルマガでも「積極財政が日本を救う」をモットーとして(何だか藤井聡さんのパクリみたいで、スミマセン)、マクロ経済政策に関する話題を中心に、情報を発信していきたいと思います。

ちなみに本職は、「セゾン投信株式会社」という投資信託委託会社(平たく言えば、個人投資家向けのファンドを運用する会社です)の取締役です。
http://www.saison-am.co.jp/
そんな経験も踏まえつつ、「金融のグローバル化で国民経済が不安定化する中で、個人として、お金の問題とどう向き合うべきか」を念頭に置きながら、金融関連のテーマについても時折とり上げてみたいと思っています(あくまでも個人的見解として)。

さて、今回のタイトルは「積極財政と原発問題」です。
本メルマガでも三橋さんが、先日出版されたご自身の著作「マスコミが絶対に伝えない『原発ゼロ』の真実」について取り上げておられました。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/07/07/mitsuhashi-133/
同書では、「エネルギー安全保障の強化(あるいは、電力サービスの安定供給)には、原発再稼働が必要不可欠である」という議論が、詳細かつわかりやすく展開されています。
http://amzn.to/1rmLa5o

実は私自身、昨年10月に「緊縮財政が原発事故の原因か?」という記事を書きました。
http://asread.info/archives/134

これは、原発事故の要因を、

「緊縮財政によって日本の名目経済成長が止まった」

「利益成長期待を失った企業が、国内に投資をしなくなった」

「電力業界では、投資コストの比重が高い原発向けの投資が真っ先に削られ、安全対策もおろそかになった(特に、世代が古く安全対策にもコストがかさむ福島第一原発は、対策も取られずに稼働が優先された)」

「東日本大震災で壊滅的な事故が起こった」

というように、技術要因や属人的要因のようなミクロレベルではなく、構造的・マクロ的に考察したものです(もちろん、「当事者の振る舞いに何ら責任が無い」と言いたいわけではなく、「大事故を誘発する構造的・マクロ的要因が存在した」という論旨です)。
要は、

「原発はとにかく危険である」

ではなく、

「発想を転換して積極財政を前提とすれば、原発を安全に稼働し続けることは十分可能である」

という教訓を、今回の事故から引き出すべきなのではないか、ということです。

最近、改めてこのテーマについて考える機会があり、ふと気づいたことがあります。
それは、世代が古く、事前に危険性が指摘されていたことも共通していながらも、それなりの安全対策が施されていたために、何とか安全に停止できた東海第二原発のことです。
http://jairo.nii.ac.jp/0150/00001938/en

東海第二原発の運営事業者である日本原子力発電は、共同出資している電力各社から「基本料金」を受け取れるため、発電量ゼロでも利益を出すことができます。
http://www.japc.co.jp/company/ir/ir_zaimu_graph.html
この極めて特殊な構造は、「原発の非効率性を維持して国民負担を高めている」ということで、原発反対派から批判の対象になっているようです。
http://biz-journal.jp/2013/03/post_1671.html

確かに、「販売努力をせずに利益が出せる民間企業」というのはある意味異様で、このまま運営を継続することには無理がある、と思わないでもありません。
他方で、「そんな異様な企業だからこそ、採算度外視で安全対策に手を打てて、大事故を免れたのではないか」という見方も成り立ちます。

原発問題はエネルギー安全保障にとどまらず、国外への多額の所得流出(突き詰めれば、将来的な国家財政の持続性)にもかかわる、日本経済における重要なテーマです(「財政健全化」を目指した緊縮財政が、国家財政の持続性をむしろ危うくする方向に働いている、という意味では何とも皮肉な構図です)。
もちろん「原発再稼働ありき」ではありませんが、今回の教訓を踏まえつつ、「必要な安全対策投資を担保するためには、(積極財政の前提も含め)どのような運営体制が望ましいのか」を検討・議論するのが、建設的なあり方ではないかと思います(いろいろな枠組みが一旦壊れてしまった以上、多くの点で原発運営への国の関与を強めざるを得ないのでは、というのが現時点での私見です)。

「積極財政=万能薬」と言うつもりはありませんし、経済成長は日本経済を円滑に運営するための必要条件でしかありません。
他方で、「日本はデフレで成長しない」が多くの議論において暗黙の前提となりつつある(さもなければ、金融緩和に偏重したリフレ派のような非現実的な議論が横行する)昨今です。
そうした状況で発想の転換をもたらし、解決困難に見える多くの課題を一挙に解決する柱となり得るのが積極財政ではないか、ということで、その一例として今回のテーマを取り上げてみました。

著者ではない私が言うのも僭越ですが、そんなことも頭に入れてお読みいただければ、「『原発ゼロ』の真実」からも、また違った発見があるかもしれません。
http://amzn.to/1rmLa5o

PS
私も20分ほど、小話をする予定です。
http://www.tek.co.jp/p/meeting.html

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テーマ : 福島第一原発
ジャンル : 政治・経済

tag : 財政政策 原発 日本経済 三橋貴明

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島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

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