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「大阪都構想」の基本的哲学?

メルマガ「三橋貴明の『新』日本経済新聞」の記事を執筆しました。

今回は「「大阪都構想」の基本的哲学」というタイトルで、

「「大阪都構想」は、日本経済を凋落させた小泉構造改革と同根の政策パッケージである」

という観点から、前回に引き続き同構想の問題点について解説しています。
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-85.html

また、今回は、近日刊行予定の拙著『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』についても、一部紹介しています。

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http://www.mag2.com/m/0001007984.html

以下では今回の記事を転載しています。


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【島倉原】「大阪都構想」の基本的哲学?
From 島倉原@評論家

おはようございます。
このたび、拙著『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』が刊行されることとなりました。
http://amzn.to/1HF6UyO

本書については、また機会を改めて取り上げたいと思いますが、

「日本経済はなぜ長期低迷しているのか?」
「アベノミクスは果たして正しい経済政策なのか?」
「バブル経済崩壊やリーマン・ショックのような大規模な金融危機が、なぜ周期的に発生するのか?」

という問いに対して、「積極財政論」「内生的景気循環論」という立場から、包括的な解答を提示し、「積極財政を柱として行われるべき適切な経済政策とは何か」を論じたものです。
もちろん、こうした内容の一部は本メルマガでもしばしば取り上げているところではありますが、より詳しく、まとまった形で論じると共に、政策論の背景となっている「世界観」の成り立ちについても、「リフレ派」や「(特に新自由主義的な)主流派経済学」の非現実的なそれと対比しながら詳しく説明することで、

「経済を軸として世の中がどのように動いているのか」

について、より理解を深めていただけるように仕上げたつもりです。

なお、本書は現実のデータに基づく検証を1つ1つ積み重ねるスタイルを取っているので、現実と乖離した難解な経済学の知識は決して必要ではありません。
是非、一人でも多くの方が経済の姿をより現実的な形で理解し、ひいてはより良い社会の形成につなげるための「手引き」として、ご活用いただければと思います。

さて、本題に移りましょう。
今回は、「大阪都構想」について、前回とは別の切り口から考えてみたいと思います。
前回、「大阪都構想=緊縮財政と構造改革の政策パッケージ」と述べました。
そして、GDP統計を踏まえれば、「大阪市において二重行政の無駄が生じている」という大阪維新の会の問題提起自体がそもそも事実誤認であり、大阪経済を立て直すには逆に、公共投資を中心とした積極財政を行うべきではないか、というのが前回の結論でした。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/03/26/shimakura-20/

ところで、「緊縮財政と構造改革のパッケージ」と言えば、何か思い出しませんか?
そう、本メルマガでも何度か取り上げた「小泉構造改革」です。
小泉内閣のスローガンは「構造改革なくして景気回復なし」で、国債発行額を30兆円以下に抑制することを、公約として掲げていました。

つまり、「大阪都構想」とは、小泉構造改革の発想を地方行政に当てはめた政策、と位置づけることができるのです。
「それって、単なるこじつけじゃないの」と思われた方もいるかもしれません。

いえいえ、決してそんなことはありません。
れっきとした根拠が存在します。
何せ、橋本徹大阪市長自ら、「基本的な価値観、哲学は、僕は竹中さんの考え方ですね」と述べているのですから。
https://www.youtube.com/watch?v=z1fuRZWaRKc

上記の映像は、「日本維新の会」が2012年衆院選の候補者選定のために設けた「公募委員会」委員長に、小泉構造改革を推進した竹中平蔵氏を起用した際、橋下氏がテレビ局のインタビューに答えたものです。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASHC2701D_X20C12A9EB1000/

そういえば、橋下市長就任5ヵ月目から、「財政関係」で大阪市特別顧問を務めているのは、小泉政権時に竹中氏を支えた、かの高橋洋一氏です。
http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000157541.html

ちなみに、「地方に出来る事は地方に、民間に出来る事は民間に」と称して小泉政権時に行われた地方自治体の実質的な財源カットは、「二重行政の排除」ならぬ「三位一体の改革」と呼ばれていました。
これもまた、形を変えた小規模政府側(今回のケースでは大阪市)からの財源流出ではないでしょうか。

では、小泉構造改革の結果、日本経済はどうなったか。
「改革の結果、日本経済は戦後最長の景気拡大を達成した」は良く言って錯覚、悪く言えばデマゴギーに過ぎません。
なぜなら、戦後最長の景気拡大とは、アメリカ住宅バブルを筆頭とした世界的な不動産バブルによって実現した「追い風参考記録」に過ぎないからです。
同時期の日本経済は、追い風が吹いたにもかかわらず「実感なき景気回復」しか達成できず、結果として、1人当たり名目GDPの国際順位が著しく低下してしまいました。
つまり、小泉構造改革とは政策パッケージとして明らかな失敗作であり、到底真似すべき代物ではないのです。
http://on.fb.me/1ui8vDo

小泉構造改革をどのように評価すべきか、詳しくは下記メルマガ記事、および(メルマガ記事からもリンクしている)拙ブログ記事でご確認ください。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/01/29/shimakura-16/
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-79.html

失敗作であるはずの小泉構造改革がなぜポジティブに評価されてしまうのか、その背景をお知りになりたい方は、是非冒頭でご紹介した『積極財政宣言』を参考にしてみてください。
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「『大阪都構想』が実現したことで、大阪経済の地盤沈下がより一層進む」といった事態がどうか起こりませんように…。

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テーマ : 橋下徹
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tag : 大阪都構想 橋下徹 竹中平蔵 小泉純一郎 高橋洋一 三橋貴明 日本経済 アベノミクス 積極財政 GDP

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島倉原(しまくら はじめ)

Author:島倉原(しまくら はじめ)
 経済評論家。株式会社クレディセゾン主任研究員。経済理論学会および景気循環学会会員。
 メルマガ『島倉原の経済分析室』(毎週日曜日発行)や、メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』(隔週木曜日寄稿)の執筆を行っています。

著書『積極財政宣言:なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論、2015年)

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